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明るくする描画モード【スクリーン・加算・覆い焼きリニア・覆い焼きカラー・比較(明)・カラー比較(明)】の計算式の紹介
上の表を見てください。よく使う描画モードをまとめた図です。
縦の列が明るくする描画モード、暗くする描画モード、コントラストを強くする描画モードで
上にいくほど画面に与える変化が大きい描画モードです。
横に並んだ描画モードは同等の強さの描画モードと言えます。
下の6つの描画モードについては特殊な描画モードなので、その関係性からはハズれます。
それでは、明るくする描画モードの計算式について紹介していきます!
描画モードは感覚的に使うものなので、計算式を理解しても意味ない…という意見もありますが、
各描画モードでどのような計算をされているか知りたい方も多いと思うので紹介します!
加算(明るくする描画モード) 結果色=基本色+合成色
RGBそれぞれの数値を見れば合成色と基本色を足した数字が結果色になっているのが分かります。
足し算なので数値は必ず増えるので、結果色は必ず明るくなります。暗くなるピクセルはありません。
明るくする描画モードの特徴は黒が抜けて、白が活かされるということです。
上は描画モード:加算の使用例です。
明るくする描画モードは、
このように背景黒のVFXなどの黒背景の素材を合成するときに使用できます。
黒が綺麗に抜けてますよね。
明るくする描画モードは黒が無効化されるのが大きな特徴です。
明るい部分だけを強く活かしたい時に使う描画モードです。
覆い焼きリニア(明るくする描画モード) 結果色=基本色+合成色
この覆い焼きリニアの説明ですが、実は覆い焼きリニアと加算は 同じ処理を行う描画モードです。
覆い焼きリニアは加算のPhotoshop用語だと思ってください。Photoshopとの互換性のため、用意されています。Photoshopには加算という描画モードがないため、Ae内で描画モード加算にしたレイヤーはpsdファイルとして書き出すと『描画モードは最も類似したPhotoshop描画モードに変換されました。』とアラートが出て、加算は覆い焼きリニアに変換され書き出されます。
スクリーン(明るくする描画モード) 結果色=1-(1-基本色)×(1-合成色)
スクリーンも明るくする描画モードの黒が抜けて、白が活かされるという特徴を持っています。
スクリーンは加算と比べて柔らかく明るくなります。加算ほど効果は強くならない。
覆い焼きカラー(明るくする描画モード) 結果色=基本色÷(1-合成色)
覆い焼きカラーも明るくする描画モードの黒が抜けて、白が活かされるという特徴を持っています。
ただ全てのピクセルで必ず明るくなるわけではなく、基本色が暗い部分は合成後暗くなります。
覆い焼きカラーは加算の暗い部分を締めたようなイメージになります。
明るくする描画モードで合成すると基本的に画面が明るくなりますが、その強さは「スクリーン<加算=覆い焼きリニア<覆い焼きカラー」の順番で強くなります。
比較(明)(明るくする描画モード)
結果色(R)=max{ 基本色(R),合成色(R)}
結果色(G)=max{ 基本色(G),合成色(G)}
結果色(B)=max{ 基本色(B),合成色(B)}
比較(明)とカラー比較(明)は明るくする描画モードの中でも少し特殊な描画モードです。
合成色・基本色のRGBごとの数値を比較して、
それぞれ大きい数値を選ぶので結果色は必ず明るくなります。
この場合Rは237と70を比べて、数字が大きい合成色の237が結果色に使用され、
Gの数値も137と49の大きい方、合成色の137が結果色に使用され、
Bの数値は47と160で基本色の160が結果色に使われます。
黒はRGBの数値がすべて0のため、数値が使わることはないため無効化されます。
逆に白はRGB数値が255なので必ず使用されるので白は活かされます。
加算やスクリーンと同様の明るくする描画モードの特徴が出ています。
RGBのバランスが大きく変更される可能性があるので、
画像の合成に使うには予想がつきにくく扱いにくい描画モードと言えます。
カラー比較(明)(明るくする描画モード)
結果色(R,G,B)=max{ 基本色(R,G,B),合成色(R,G,B)}
基本色、合成色のRGBすべての数値を足した、合計が大きい方、
つまり単純に基本色と合成色の明るい方の画像を使用するという描画モードです。
黒は選ばれないので無効化されます。逆に白い部分は必ず選ぶので活かされます。
この描画モードはピクセルごとに基本色、合成色のどちらかを選択するだけであって
色が合成により全然別の色に変わってしまうことはないです。
比較系の描画モードは同じ画像を合成しても、
比較の対象のRGB値が同じため合成による変化はありません。
どちらも黒が無効化され、白が活かされるという
明るくする描画モードの特徴を持っています。
After Effectsの全描画モードの種類と考え方
描画モード①明るくする描画モードの計算式
描画モード②暗くする描画モードの計算式
描画モード③コントラストを強くする描画モードの計算式
描画モード④色を反転させる描画モードの計算式
描画モード⑤色相・彩度・輝度を使う描画モード
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